皆様におかれましては、平素より日本の合板産業及び日本合板工業組合連合会への多大なご理解とご支援を賜り厚くお礼申し上げます。
本年5月28日に開催された本連合会の通常総会及び理事会において、日本合板工業組合連合会の会長に再選され謹んで就任いたしました。平成16年5月に本連合会会長に推挙され就任以来、4期8年間務めることができたのも皆様のご支援ご協力の賜物と心から感謝申し上げます。これからも日本の森林と合板産業の発展のために一意専心努力して参りますので、倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
さて、2011年3月11日の東日本大震災により、日合連の組合員企業が甚大な被害を受け、全国の生産量の約3割を占める合板供給が困難となりました。
しかし、非被災組合員企業がフル生産を行い、同年6月には日合連推計で約20万m3/月と、ほぼ平常の生産レベルまで回復しました。被災企業においては、補正予算等を活用して復旧に全力を挙げ一部を除いてほぼ復興致しました。
昨年11月に、日合連と特定非営利活動法人 震災直後の合板不足懸念から合板輸入量が大幅に増加し、これらの中には、F☆☆☆☆のJAS規格でないものが相当量含まれており、これらが住宅等で使用されると建物の強度不足やシックハウス症候群を発症することが依然として危惧されております。
日合連は、国産材を活用した合板の需要拡大のため、平成24年度においては、国産合板の使用事例写真を取りまとめた作品集や国土交通大臣の認定を取得した12mm厚の国産構造用合板の壁倍率のパンフレット等を作成・配布するとともに、国産型枠用合板の実用化、学校等公共建築物のための高強度の床や壁の開発等を行うこととしております。また、放射性セシウムにつきましては、林野庁から国産合板は、安全上全く問題ないとの見解をいただいておりますので、安心してご利用いただきたいと存じます。
国際的には、我が国の森林・林業の再生に逆行することとなる関税撤廃を前提とするTPPへの不参加、EPA/FTAにおける合板輸入関税の維持を要望するとともに、ロシア原木の輸出関税の維持に注目しながら必要な輸入材の安定的確保等を図って参ります。
また、植林された豊富な森林資源を有する我が国にも関わらず、未だ日本で利用されている合板の約60%が東南アジア等で生産されたいわゆる「輸入合板」であることから、地域経済の振興と日本の森林資源の有効活用を通じた我が国の森林再生にブレーキが掛かっている事実を訴え、貴重な熱帯雨林の保護と動植物の生態系維持のためにも日本の植林木を主原料とした合板の製造販売を一層拡大していく所存であります。
平成23年度の「森林・林業白書」を受け、日合連と致しましては、閣議決定された「森林・林業基本計画」に則り、日本の森林再生と地域経済の活性化、そして地球環境の保護と地震や災害から国民の安全と健康を守る住環境の充実を目指しています。このため、「あらゆるところに、国産合板を使用し、木材自給率50%を目指す(AKG50)」をキャッチフレーズに国産合板の需要拡大のための全国的な活動を展開し、環境創造産業・住宅創造産業として一層発展できるよう一意専心努力する所存ですので、皆様の一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。