合板(ごうはん)についてFAQ(よくあるお問い合わせ)

合板全般
耐力壁
ネダノン

合板全般

Q1.

普通合板の強度が知りたい

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A.

「合板の日本農林規格」(JAS規格)において、合板は、普通合板、コンクリート型枠用合板、構造用合板、化粧ばり構造用合板、天然木化粧合板、特殊加工化粧合板に分類されています。同じ樹種を用いた同じ厚さの合板でも、単板構成(単板を何層とするか、各層の厚さをどうするか)により、強度性能は2倍から3倍も異なります。
使用されている合板の性能の目安が必要でしたら、実験的に確認されることをお勧めします。

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Q2.

構造用合板の製品寸法、1枚あたり重量、壁倍率が知りたい。

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A.

製品寸法、1枚あたり重量、壁倍率については、「構造用合板の手引き」をご覧ください。

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Q3.

構造用合板の熱伝導率、透湿抵抗が知りたい。

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A.

熱伝導率、透湿抵抗については、公益社団法人日本木材加工技術協会発行の"BIOCOMP2012 Proceedings CD-ROM"のp.419-424、425-433にデータが掲載されています。

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Q4.

施工時に合板が雨掛かりした場合の強度性能の低下、対処方法が知りたい。

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A.

接着の程度が特類の合板であれば、合板の強度性能は、濡れても乾けば元に戻りますが、雨にぬれて十分に乾燥させないまま次の施工を進めてしまうと、黒カビや木材腐朽菌の発生により、床の強度性能や耐久性能を低下させる危険性があります。そのため、著しい雨ぬれを生じた場合は、再度十分乾燥させてから次の施工工程に進むことを推奨します。
当会ではマニュアルの記載以外に技術的資料はありませんが、公表されているデータとして、木材工業Vol. 75, No. 3, p.110-115(2020)のような論文があります。
なお、合板のJAS規格によると、接着の程度1類とは、「断続的に湿潤状態となる場所(環境)において使用することを主な目的とした」類別とされています。「断続的に」とは、水濡れの状態が続かず、間に乾燥状態となることを意味すると考えられます。
降水で水濡れが生じた後に、合板が乾燥した状態になったことが確認されていない場合、当該環境下では、1類の合板では性能低下が起こりうるものと考えられます。

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耐力壁

Q5.

耐力壁の長さおよび高さの上限および下限について知りたい。

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A.

大臣認定仕様の中には、告示仕様耐力壁と同様に高さの適用範囲が定められてない仕様があります。ちなみに、大臣認定取得時は壁高さ2730mmで試験を行っております。また、壁長さについては、柱間隔910mm以上1000mm以下となっております。これら以外の大臣認定仕様については、壁高さや壁長さの規定がありますので、それらを遵守するようにしてください。
また、告示仕様の耐力壁については、壁長さ600mm以上が耐力壁として認められています(軸組構法については「木造軸組工法住宅の許容応力度設計(2017年版)」、枠組壁工法については「2018年枠組壁工法建築物構造計算指針」をご参照ください)。
詳しくは「構造用合板の手引き」をご覧ください。

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Q6.

告示仕様耐力壁を壁長さ方向に張り継ぐ場合の柱間隔について知りたい。

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A.

告示仕様耐力壁の場合、柱間隔等に細かい規定はありませんが、合板の幅を超える柱間隔の場合には、継手間柱もしくは柱を用いて合板を張り継ぐ必要があります。
その際、連続してどの程度まで継手間柱により張り継いで良いかについては、日本住宅・木材技術センター発行の「木造軸組工法住宅の許容応力度設計」のp.60-66に倍率の加算則が成立する範囲が書かれていますのでご参照ください。その範囲を超えてしまう場合には、継手間柱ではなく柱を設置してください。
なお、継手間柱の寸法は、見付け45mm以上、奥行60mm以上(通常は壁厚と同寸法が多い)とすることが一般的です。

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Q7.

告示仕様耐力壁を壁高さ方向に張り継ぐ場合の胴つなぎ材について知りたい。

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A.

告示では規定されていませんが、大臣認定に準じ、胴つなぎ材は45(見付け)×60mm以上を推奨します。

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Q8.

耐力壁の間柱の寸法規定について知りたい。

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A.

告示仕様では特に間柱の寸法の規定がありませんが、大臣認定仕様に記載されている寸法以上であれば、耐震性能上、問題ないと判断します。

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Q9.

高さ方向に貼り継ぐ場合の胴つなぎ材と合板周囲の受材の勝ち負けについてについて知りたい。

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A.

壁高さ方向に張り継ぐ際の胴つなぎ材と合板周囲の受け材の勝ち負けについて特に規定はありませんが、一般的には先に胴つなぎ材を軸組に取り付けた後に、受材を留め付けることが多いと思われます。

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Q10.

くぎの施工位置(縁端距離、へりあき)について知りたい。

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A.

縁端距離について、告示仕様耐力壁では明確な決まりはありませんが、日合連が取得している大臣認定仕様では、厚さ12mm合板では縁端距離12mmとしています。
下地材幅45mmで合板を継ぐ場合、22.5mmかかり代があることになるので、その中央にくぎ打ちをすると縁端距離は11~12mm確保することができ、ここから12mmという数字を定めています(柱であればかかり代が50mmほど取れますので、12mmは十分確保できます)。
それを下回ってギリギリに施工すると、壁の変形時に縁切れやパンチングが起きやすくなり、耐力壁の性能が十分に発揮されない恐れがあります。
縁端距離が極端に小さい場合は、既存のくぎの間に別途新しいくぎを増し打ちすることをお薦めします。

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Q11.

合板へのくぎのめり込みの許容範囲について知りたい。

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A.

釘頭のめり込みについては、何mmまでだったら問題ないのかや、どの程度性能が低下するのかという定量的な評価はありません。
合板厚さが9mmや12mmの場合、2~3mmめり込むと単板1枚分程度を貫通していることになります。過去に実施された例では、壁の最大耐力が7割程度に、変形性能は半分程度に低下することが報告されています(日本建築学会「木質系耐力壁形式構造に関するQ&A」より)。
そのため日合連では、ネイラーを用いて施工する際には釘頭をめり込ませないよう空気圧を調整することを推奨しております。

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Q12.

耐力壁施工時にくぎが貫通してよいのか知りたい。

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A.

受材や胴つなぎ材をくぎが貫通してしまう場合、一定程度以上の打ち込み深さがあれば、くぎ接合部の性能としては十分な耐力が得られるため、くぎの先端が突き抜けても問題ありません。マニュアルには受材の必要最小断面が書かれていますが、くぎの突き抜けが気になる場合は、奥行きを増やした断面の材をご使用ください。
また、大臣認定仕様は用いるくぎの種類やピッチが決められており、それ以外のものは使用できませんのでご注意ください。

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Q13.

告示仕様または大臣認定仕様の合板耐力壁と、筋かい耐力壁との併用について知りたい。

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A.

告示仕様、大臣認定仕様と筋かいとの併用に関しては、仕様規定(壁量計算ルート)であれば最大5倍まで、構造計算(許容応力度計算)であれば最大7倍まで加算することができます。

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Q14.

告示仕様の耐力壁を耐震補強に使用してもよいのか知りたい。

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A.

告示仕様の耐力壁を耐震補強に使用することは可能です。その際の基準耐力、基準剛性の考え方は、日本建築防災協会(建防協)発行の「木造住宅の耐震診断と補強方法」や建防協HPのQ&Aを参照ください。

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Q15.

耐力壁の真壁仕様について、合板を両面張りした際の壁倍率、受材の共有について知りたい。

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A.

真壁仕様を両面施工することは可能ですが、倍率を単純に加算するためには受材は共有せずに別々に施工する必要があります。もし受材を表裏面で共有したい場合は、受材断面を大きくするとともに、受材を軸組に留め付けるくぎ本数を2倍にする必要があります。

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Q16.

耐力壁に設ける小開口の影響、開口が複数の場合の取り扱いを知りたい。

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A.

耐力壁に設ける小開口の影響については、定量的な評価が難しく、当会でも有用な知見やデータを持っておりません。告示耐力壁に関しては、国土交通省住宅局建築指導課長通知の技術的助言に「木造の耐力壁について、周囲の軸組から離して設ける径50cm程度の換気扇用の孔は、開口部を設けない場合と同等以上の剛性及び耐力を有するものとして取り扱うことができる。」とされておりますが(日合連「構造用合板の手引き」p.25参照)、開口が複数の場合の取り扱いについては決まりがありませんので、日合連ではお薦めしておりません。

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ネダノン

Q17.

床、屋根で耐力算定する場合の最低寸法について知りたい。

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A.

床で耐力算定する場合の最低寸法については特に決まりはありませんが、基本的には910mmあるいは1000mmといったモジュールで考えて頂くのが安全です。間崩れなどでそれよりも小さい幅の床構面が生じる場合、小梁や受け材などを介して周辺の床構面と連続しているとみなせて、最外周部が必ず梁桁材で囲まれているのであれば、連続する床構面として判断して差し支えないと考えます。なお、階段室や吹き抜けなどの開口部の周辺では構面の幅が大きく減少する場合がありますので特に注意が必要です。
屋根に関しても同様の判断で構いません。下屋や母屋下がりについても同様です。

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Q18.

ネダノンを際根太に載せる際の掛り代について知りたい。

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A.

合板側の縁距離、および際根太側の縁距離が適切に確保されていれば問題ありません。くぎの太さによってもその値は異なりますが、CN65であればそれぞれ15mm以上、CN75であればそれぞれ20mm以上を確保してあれば問題ないと思われます。

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Q19.

ネダノンについて、24㎜厚、28㎜厚の使い分けについて知りたい

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A.

ネダノンマニュアルver.9のP.45、46に曲げ性能のデータがあります。厚さが増すと曲げ強さ・曲げヤング係数ともに低くなるものもありますが破壊荷重とたわみ量で見ると厚い物ほど高い性能を持つことがわかります。厚さが厚い方が曲げ性能は若干高くなりますが、仕上げなども含めて考えると、24mm以上であればほとんど差はありませんし、くぎ打ち構面としての面内せん断性能も、24mmと28mmではほぼ同等の性能があります。したがって、バリアフリー床の段差に応じて使い分けるなど、納まり上の問題から厚さを選択する場合があるようです。

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Q20.

ネダノンのくぎの施工位置(縁端距離、へりあき)について知りたい。また、さねがある場合について知りたい。

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A.

ネダノンのくぎ縁端距離としては、15mm以上を推奨しています。また、軸材へのネダノンの掛かり代は30mm以上を推奨しています。詳しくは、ネダノンマニュアルver.9のp.9~をご参照ください。
またサネ付き合板の場合は、下図をご確認ください。雌ザネ底部から15mm確保し、母材側も30mm確保するのが理想です。

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Q21.

ネダノンのくぎのめり込みについて知りたい。

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A.

下記文献にくぎ接合部のパンチング破壊に関するデータとそれに対する考察がまとめられており、ネダノンの場合は5mmまでは問題ないと判断した経緯が書かれております。
・神谷文夫:合板張り構面におけるくぎ接合部のパンチングシア、Journal of Timber Engineering、Vol.33、No.2、p.71-76、2020

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Q22.

ネダノンマニュアルver.9(p.53 品確法に基づく試験方法による床構面の水平せん断性能)に「ネダノンの四周をくぎ打ちした床仕様は、品確法の倍率3よりはるかに高い4.7を示し、」とあるが、許容応力度計算においては倍率3が限度なのか知りたい。

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A.

許容応力度計算を行う場合、平成13年国土交通省告示第1347号:評価方法基準の記述に基づき、倍率3を超える数値とすることができます。日本住宅・木材技術センターの「木造軸組工法住宅の許容応力度設計(グレー本)」によれば、厚さ24~30mmの構造用合板をN75@150で四周くぎ打ちした床構面の場合、許容せん断耐力7.84kN/m(床倍率4.0倍)を適用できることになっています。また、詳細計算法により床構面の許容せん断耐力を算定する場合は、最大13.72kN/m(床倍率7倍)まで適用することが可能です。詳しくはグレー本を参照ください。

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