日合連概要会長挨拶

ご挨拶

日本合板工業組合連合会 会長 井上 篤博
令和7年1月

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 昨年は、ロシア・ウクライナ戦争やイスラエル・ガザ戦争といった不安定な国際情勢の中で、国内では、急激な為替の変動、物価高騰が続いており、個人消費、とりわけ新設住宅着工が低迷するなど、厳しい情勢に置かれ苦慮した一年でした。

 日合連では、これまでも「森林・林業基本計画」に基づき、国産材の需要拡大に向けて、国産針葉樹を原料とする構造用合板、フロア台板、型枠用合板等の開発に取り組み、非住宅分野や中層・大規模建築分野への合板の新規需要を開拓してまいりました。

 合板業界を取り巻く厳しい情勢は依然として継続しておりますが、現基本計画における合板用材の国産材利用量目標7百万m3の達成を目指して、「Go(合板)!700!」をスローガンに、国産材の需要拡大に更に取り組んでまいります。

 現在、厚物合板よりも更に厚い「超厚合板:CLP(Cross Layered Plywood)」の製品開発及びJAS規格の改正などに向けた取組を推進しているところです。このCLPを国産材100%で製造することにより、雇用の創出など地域経済の発展に資することに加えて、日本の森林再生に一層貢献できるものと考えております。

 国産の合板は、国産材の積極的な利用を通じて、地域の活性化はもとより、貴重な熱帯雨林の保護、HWP(伐採木材製品:Harvested Wood Product)利用による炭素貯蔵の増加など、SDG’s並びに2050カーボンニュートラルの達成に貢献しています。日本で使用されている合板は、依然として、いわゆる輸入合板が半分を占めている中、新たな製品開発等により、更なる貢献が期待できます。また、SDG’s達成に向けては、「合法性」や「持続可能性」の確保は欠かせませんが、そこには合板産業の体質強化、国際競争力向上が喫緊の課題となっています。

 これら諸課題への対応に向けては、日本の人工林資源を有効かつ永続的に活用して、国産合板の製造販売を一層拡充していく必要があります。
 このため、LCA(Life Cycle Assessment)の観点にも立って、A級材からD級材まで、樹種や形状に合わせて使い分ける木材の高付加価値化利用、すなわちマテリアル利用とエネルギー利用の両立を追求するカスケード利用を目指してまいる考えです。

 合板産業は、今後とも、環境創造産業・住宅創造産業として、一層発展できるよう取り組んでまいります。

 本年も、皆様のご健康、ご多幸を祈念申し上げるとともに、合板産業へのより一層のご支援をお願い申し上げ、年頭の挨拶と致します。