平素より日本の合板産業並びに日本合板工業組合連合会(日合連)へ多大なご理解とご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
昨年は、世界各地で、台風や豪雪などの異常気象が多発し、地球温暖化の危機的な影響が実感され、低炭素社会実現のためCO2の吸収・固定に貢献する森林・木材の重要性が再認識された年となりました。
このような中で、国内においては、消費税アップによる反動から合板等の需要や価格が低迷し、円安による燃料コスト等の高騰と相まって大変厳しい経営環境となりましたが、合板業界あげての国産材利用の促進により、昨年の国産材原木の使用量は約319万立方メートルと着実に増加し、使用総量の約7割となっています。
特に昨年は、FITによるバイオマス発電用及び海外輸出用のための原木需要の急増により国産材の安定供給への強い懸念が生じ、日合連としても国産材のカスケード利用、丸太ではなく製品輸出の促進について関係省庁等に強く要請しました。
また、住宅リフォーム、中層・大規模建築物への利用拡大や型枠用合板等公共事業への利用増大に資する技術開発や普及活動を積極的に実施すると共に、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの施設等での国産合板の活用について要請活動を展開しました。
「合板の日」(11月3日)の記念行事では、接着剤業界を代表して合成樹脂工業協会接着剤部会に、これまでの合板産業発展へのご功績に対し感謝の意を表して林野庁長官表彰状等を授与するとともに、「第3回全国合板1枚・作品コンペ」において小中高生を含む85件に及ぶ多くの独創的な作品の応募を受け日合連会長賞等を授与しました。
国際的には、TPP閣僚会合に、他の農林水産関係団体と連携して参加し、国会決議に基づいて現行のOSBを含む合板関税を維持するよう強力に要請しました。
現在も日本で利用されている合板の約60%が東南アジアや中国で生産されたいわゆる「輸入合板」であることから、地域経済の振興と日本の森林資源の有効活用を通じた森林再生にブレーキが掛かっている事実を訴え、貴重な熱帯雨林の保護と生態系維持のためにも日本の植林された木を主原料とした合板の製造販売を一層拡大していく必要があります。
今年度、日合連は、閣議決定された「森林・林業基本計画」に則り、木材自給率50%の早期達成を目指して、「あらゆるところに、国産合板を使用し、木材自給率50%を目指す(AKG50)」をキャッチフレーズにし、日本の森林再生と地域経済の活性化そして地震や災害から国民の安全と健康を守る住環境の充実と地球環境の保護の両立を図るため、環境創造産業・住宅創造産業として一層発展できるよう一意専心努力する所存です。
皆様のご健康、ご多幸を祈念申し上げますとともに、一層のご支援とご協力をお願い申し上げます。