日合連概要会長挨拶

ご挨拶

日本合板工業組合連合会 会長 井上 篤博
平成28年1月

― 国際競争力の強化を目指す合板産業 ―

 新年明けましておめでとうございます。

 平素より日本の合板産業並びに日本合板工業組合連合会(日合連)へ多大なご理解とご支援を賜り厚く御礼申し上げます。

 昨年は、関税撤廃等を目指したTPPの大筋合意やCOP21における新たな地球温暖化対策のため全ての国が取り組むこととなる画期的なパリ協定の採択等我が国に大きな影響をもたらす国際的動向が顕著な年となりました。また、マレーシアのサバ・サラワク州での熱帯雨林を破壊する等違法伐採が国内外で大きな関心を呼び、その対策の充実・強化の動きが活発となりました。

 今後、TPP参加国であるマレーシア・ベトナムからの合板や米国・カナダからのOSBだけでなく、中国、欧州、インドネシアからの合板やOSB等との競争激化が見込まれることから、日本の合板産業の国際競争力強化が重要課題となります。

 日合連は、我が国の国土の70%を占める森林再生のため、合板産業の生産性の向上、新規需要拡大のための施設整備や技術開発への支援等を関係省庁等に要望致しました。

 また、FITによるバイオマス発電用及び海外輸出用のための原木需要の急増により国産材の安定供給に強い懸念が生じたことから、日合連としても関係団体と連携して国産材の伐採量と再植林の拡大と木材のカスケード利用の遵守、丸太ではなく製品輸出の促進について関係省庁等に具体的対策を提言致しました。

 さらに、住宅リフォームや中層・大規模建築物用の構造用合板をはじめ、グリーン購入法の特定調達品目に指定された型枠用合板やフロアー用合板への国産材利用拡大に資する技術開発や普及活動を積極的に実施すると共に、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの施設等での国産合板の活用について要請活動を展開しました。

 「合板の日」(11月3日)の記念行事では、国立研究開発法人 森林総合研究所にこれまでの合板産業発展へのご功績に対し感謝の意を表して林野庁長官表彰状等を授与しました。

 しかし、現在も日本で利用されている合板の5割以上が東南アジアや中国で生産されたいわゆる「輸入合板」であることから、地域経済の振興と日本の森林資源の有効活用を通じた森林再生にブレーキが掛かっている事実を訴え、貴重な熱帯雨林の保護と生態系維持のためにも日本の植林された木を主原料とした合板の製造販売を一層拡大していく必要性を広くアピールしたいと思います。

 日合連は、「森林・林業基本計画」に則り、木材自給率50%の早期達成を目指して、「あらゆるところに、国産合板を使用し、木材自給率50%を目指す(AKG50)」をキャッチフレーズに全国的な活動を展開してきました。本年は、「森林・林業基本計画」の変更の年ですが、日本の森林再生と地域経済の活性化そして地震や災害から国民の安全と健康を守る住環境の充実と地球環境の保護の両立を図るため、環境創造産業・住宅創造産業として一層発展できるよう精励して参ります。

 皆様の本年のご健康、ご多幸を祈念申し上げますとともに、一層のご支援とご協力をお願い申し上げ年頭のご挨拶と致します。