― 国産材の利用量600万m3を目指して ―
皆様におかれましては、平素より日本の合板産業及び日本合板工業組合連合会への多大なご理解とご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
本年5月23日に開催された本連合会の通常総会及び理事会において、日本合板工業組合連合会の会長に再選され謹んで就任いたしました。これからも日本の森林と合板産業の発展のために精励して参りますので、倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。
さて、昨年は、関税撤廃等を目指したTPPの大筋合意やCOP21における新たな地球温暖化対策のため全ての国が取り組むこととなる画期的なパリ協定の採択等我が国に大きな影響をもたらす国際的動向が顕著な年となりました。また、マレーシアのサバ・サラワク州での熱帯雨林を破壊する等違法伐採が国内外で大きな関心を呼び、我が国においても、合法伐採木材の利用促進のための法制化が図られるとともに、G7伊勢志摩サミットにおいて、違法伐採対策の重要性が再確認されました。
国産材原木の安定的確保に関しては、FITによるバイオマス発電用及び海外輸出用のための原木需要の急増により国産材の安定供給に強い懸念が生じていることから、日合連としては、関係団体と連携して国産材の伐採量と再植林の拡大そして木材のカスケード利用の遵守、丸太ではなく付加価値を高めた製品輸出の促進のための具体策を関係省庁等に提言致しました。
また、国産合板の需要拡大に関しては、住宅リフォームや中層・大規模建築物用の構造用合板をはじめ、グリーン購入法の特定調達品目に指定された型枠用合板やフロアー用合板への国産材利用拡大に資する技術開発や普及活動を積極的に実施すると共に、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの施設等での国産合板の活用について要請活動を展開しています。
しかし、現在も日本で利用されている合板の約5割が東南アジアや中国で生産されたいわゆる「輸入合板」であることから、地域経済の振興と日本の森林資源の有効活用を通じた森林再生にブレーキが掛かっている事実を訴え、貴重な熱帯雨林の保護と生態系維持のためにも日本の植林された木を主原料とした合板の製造販売を一層拡大していく必要性を広くアピールしたいと思います。
本年5月24日に閣議決定(変更)された「森林・林業基本計画」において、木材自給率50%達成を目指し、「合板用材」については、平成37年(2025年)までに、国産材600万m3の利用を目指すこととされました。日合連は、本基本計画に則り、「あらゆるところに、国産合板を使用し、木材自給率50%を目指す(AKG50)」をキャッチフレーズに全国的な活動を展開し、日本の森林再生と地域経済の活性化そして地震や災害から国民の安全と健康を守る住環境の充実と地球環境の保護の両立を図るため、環境創造産業・住宅創造産業として一層発展できるよう一意専心努力する所存ですので、皆様の一層のご支援とご協力を賜りますようお願い申し上げます。