― 合板用の国産材利用量 600万立方メートルを目指して ―
明けましておめでとうございます。
平素より日本の合板産業並びに日本合板工業組合連合会(日合連)への多大なご理解とご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
昨年は、アメリカ大統領選挙、英国のEU離脱など世界の政治、経済への不安定要因が数多く生じました。他方、地球温暖化防止のためのパリ協定が発効し、我が国も積極的に貢献していくことが期待されています。
国内的には、森林・林業基本計画が見直され、合板用の国産材利用量は平成37年までに600万立方メートルを目指すこととなりました。平成28年の利用量は、平成12年に比して26倍の約360万立方メートル程度に増大すると見込まれていますが、FITによるバイオマス発電用への原木需要が急増しており、今後の合板用原木の安定的供給に依然として強い懸念が生じています。日合連としては木材のカスケード利用の遵守を関係省庁に要望しました。需要拡大では、新築・耐震リフォームや学校等の中層・大規模建築物への構造用合板の利用促進活動をはじめ、フローリング用合板と型枠用合板の技術開発・普及等を推進し、原木輸出ではなく製品輸出の促進のため、国産材合板に関する英文冊子作成や台湾での市場調査等を実施しました。
昨年は、国産合板の比率が輸入合板を抑え5割を超える歴史的な年となりましたが、現在も日本で利用されている合板の半数近くが東南アジアや中国で生産されたいわゆる「輸入合板」であることから、地域経済の振興と日本の森林資源の有効活用を通じた森林再生にブレーキが掛かっている事実を訴え、貴重な熱帯雨林の保護と生態系維持のためにも日本の植林された木を主原料とした合板の製造販売を一層拡大していく必要があります。
さらに、「合法伐採木材等の流通及び利用の促進に関する法律」(クリーンウッド法)による違法伐採木材の排除、オリンピック・パラリンピックの施設等への合板利用、五輪レガシーとして合板をはじめとする木材を利用することや森林の保全・再生の重要性を次世代に引き継いで行くことの重要性を国内外に発信することをテーマとした国際的なプロジェクトを実施していく必要もあります。
日合連は、木材自給率50%の早期達成を目指して、「あらゆるところに、国産合板を使用し、木材自給率50%を目指す(AKG50)」をキャッチフレーズに全国的な活動を展開してきました。本年は、新たな「森林・林業基本計画」の基に、日本の森林再生と地域経済の活性化そして地震や災害から国民の安全と健康を守る住環境の充実と地球環境の保護の両立を図るため、引き続き環境創造産業・住宅創造産業として一層発展できるよう一意専心努力する所存です。
皆様の本年のご健康ご多幸を祈念申し上げるとともに、一層のご支援とご協力をお願い申し上げ年頭のご挨拶と致します。