日合連概要会長挨拶

ご挨拶

日本合板工業組合連合会 会長 井上 篤博
平成30年1月

― 新たな木材時代に対応した合板産業の発展を目指して ―

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。
 平素より日本の合板産業並びに日本合板工業組合連合会(日合連)へ多大なご理解とご支援を賜り厚く御礼申し上げます。

 昨年は、台風や豪雨等の気象災害及び地震の多発、米中の貿易摩擦等世界の経済・社会を不安定にするような出来事がありました。

 森林・林業基本計画において、2025年までに600万m3を目標とされている合板用国産原木の利用量は、昨年約450万m3(前年比113%)に達すると思われます。

 政府においては昨年「森林経営管理法」を制定し、今後、市町村が中心となって、意欲と能力のある林業経営者を育成し「新たな森林管理システム」により、民有林・国有林一体となった森林の整備の推進、需要の増大にマッチした木材の長期的な安定供給をさらに図ることとしていますが、FITによるバイオマス発電用及び輸出用の原木需要が急増しており、今後の合板用原木の安定的確保に強い懸念が生じています。日合連としては、木材のカスケード利用の遵守を関係省庁に強く要望しております。

 国産合板の需要拡大につきましては、現在も日本で使用されている合板の約半分が東南アジアや中国で生産されたいわゆる「輸入合板」であることから、地域経済の振興と日本の森林資源の有効活用を通じた森林再生にブレーキが掛かっている事実を訴え、貴重な熱帯雨林の保護と生態系維持のためにも、日本の植林木を主原料とした構造用合板、フロア台板、型枠用合板等の国産合板の製造販売並びに新製品開発を一層拡充していく必要があります。

 さらに、来年に迫ったオリンピック・パラリンピック施設等への合板利用の促進とともに、110年以上の歴史を持つレガシーとしての国産合板の利用を次世代に引き継いでいくことをテーマとした国際的なプロジェクトの実現へ向けて、「木の総合文化(ウッドレガシー)議員連盟」と協力して参ります。

 日合連は、「あらゆるところに、国産合板を使用し、木材自給率50%を目指す(AKG50)」をキャッチフレーズに全国的な活動を展開してきました。本年も日本の森林再生と地域経済の活性化そして地震や災害から国民の安全・健康を守る住環境の充実並びに地球環境の保護の両立を図るため、環境創造産業・住宅創造産業として一層発展できるよう努力する所存です。

 本年も皆様のご健康、ご多幸を祈念申し上げるとともに、我が国合板産業への一層のご支援をお願い申し上げ年頭のご挨拶と致します。