― 林業の成長産業化に貢献する合板産業を目指して ―
我国の昨年の住宅着工戸数は約96万5千戸と前年を少し下回る程度となりました。また、森林・林業基本計画に基づき、合板用の国産材利用量は平成37年までに600万m3を目指すこととなりましたが、昨年の合板用の国産原木利用量は、平成12年に比して、29倍の約400万m3程度に増大すると思われます。
しかし、FITによるバイオマス発電用及び輸出用の原木需要が急増しており、今後の合板用原木の安定的供給に依然として強い懸念が生じています。日合連としては、木材のカスケード利用の遵守を関係省庁に要望いたします。
国産合板の需要拡大につきましては、現在も日本で使用されている合板の約半分が東南アジアや中国で生産されたいわゆる「輸入合板」であります。このため、地域経済の振興と日本の森林資源の有効活用を通じた森林再生にブレーキが掛かっている事実を訴え、貴重な熱帯雨林の保護と生態系維持のためにも日本の植林木を主原料とした構造用合板、フロア台板、型枠用合板等の国産合板の製造販売を一層拡大していく必要があります。
このような中で、違法伐採対策として、クリーンウッド法が昨年5月に施行されました。日合連としては、合法性だけではなく持続可能性も保証された製品の提供に努めてまいります。
さらに、オリンピック・パラリンピックの施設等への合板利用促進とともに、レガシーとしての合板の利用を次世代に引き継いでいくことをテーマとした国際的なプロジェクトの実施に向けて、国会議員の皆様により昨年4月「木の総合文化(ウッドレガシー)議員連盟」が創立され、それに呼応して、日合連を含む木材関係団体により、一般社団法人「木の総合文化・ウッドレガシー推進協議会」が設立され、貴組合にも参加・協力頂いているところであります。
日合連は、「あらゆるところに、国産合板を使用し、木材自給率50%を目指す(AKG50)」をキャッチフレーズに全国的な活動を展開してきました。本年も日本の森林再生と地域経済の活性化そして地震や災害から国民の安全・健康を守る住環境の充実並びに地球環境の保護の両立を図るため、環境創造産業・住宅創造産業として一層発展できるよう努力する所存です。