日合連概要会長挨拶

ご挨拶

日本合板工業組合連合会 会長 井上 篤博
令和4年1月

― 国産合板の更なる需要拡大による「グリーン成長」「2050カーボンニュートラル」の達成を ―

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。

 昨年は、コロナ禍、ウッドショックという状況下、「公共建築物等木材利用促進法」の改正、新たな「森林・林業基本計画」、「地球温暖化対策計画」の閣議決定など、林業・木材産業界にとって、大きな節目となる年でした。

 日合連では、これまでも「森林・林業基本計画」に基づき、国産材の需要拡大に向けて、国産針葉樹を原料とする構造用合板、フロア台板、型枠用合板等の開発に取組み、非住宅分野や中層・大規模建築分野への合板の新規需要を開拓してまいりました。2020年には、国内生産合板の国産材利用率は90%を越え、輸入合板も含めた合板自給率は47.2%に達し、国産材の積極的な利用を通じて、貴重な熱帯雨林の保護、HWP、地域の活性化など、SDGsの様々な目標達成に貢献してまいりました。
 さらに、現在、従来の厚物合板よりも厚い「超厚合板:CLP(Cross Layered Plywood)」の製品開発及びJAS規格の改正に向けた取組を推進しているところです。

 新たな「森林・林業基本計画」において、合板用材の国産材利用量の目標は前計画を1百万m3上回る7百万m3とされ、より一層の努力が求められています。また、「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」において、合板は製材と並んで重点品目に選定され、国内需要を満たしつつ輸出促進にも取組むことが求められています。

 このような中、日本で使用されている合板の約半分は依然として東南アジアや中国で生産された「輸入合板」です。SDGs達成に向けて「合法性」「持続可能性」の確保は欠かせません。さらに、TPPや日欧EPAにより、合板産業の体質強化、国際競争力向上が喫緊の課題となっています。

 これら諸課題に対応するためには、日本の人工林資源を有効かつ永続的に活用して、国産合板の製造販売を一層拡充していく必要があります。このため、LCAの観点からA~D材の仕分けを通じた木材の高付加価値化利用、マテリアル利用とエネルギー利用の両立を追求するカスケード利用を徹底し、「グリーン成長」、「2050カーボンニュートラル」の達成につなげることにつき、合板業界としても尽力してまいります。

 合板産業は今後ともさまざまな課題を克服し、環境創造産業・住宅創造産業として、SDGsの様々な目標達成に貢献し、一層発展できるよう取り組んでまいります。

 本年も皆様のご健康、ご多幸を祈念申し上げるとともに、我が国合板産業への一層のご支援をお願い申し上げ年頭のご挨拶と致します。