日合連概要会長挨拶

ご挨拶

日本合板工業組合連合会 会長 井上 篤博
令和4年6月

 本年5月30日の通常総会及び理事会において、日本合板工業組合連合会の会長に再任され謹んで就任いたしました。これからも日本の森林と合板産業の発展のために精励して参りますので、倍旧のご指導ご鞭撻を賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 昨年来のコロナ禍、ウッドショックに加えて、今年はロシア・ウクライナ情勢、原油価格高騰、急激な円安などが重なり、木材業界にとって未曾有の事態と言っても過言ではない情勢にあります。合板の需給もひっ迫しており、日合連傘下の全メーカーがフル操業で対応しております。

 昨年、新たな「森林・林業基本計画」が策定され、合板用材の国産材利用量の目標は前計画を100万m3上回る700万m3とされました。
 日合連では、これまでも「森林・林業基本計画」に基づき、国産材の需要拡大に向けて、国産針葉樹を原料とする構造用合板、フロア台板、型枠用合板等の開発に取組み、非住宅分野や中層・大規模建築分野への合板の新規需要を開拓してまいりました。

 2020年には、国内生産合板の国産材利用率は90%を越え、国産材の積極的な利用を通じて、貴重な熱帯雨林の保護、HWP、地域経済の活性化など、SDGsの様々な目標達成に貢献してまいりました。
 さらに、現在、従来の厚物合板よりも厚い「超厚合板:CLP(Cross Layered Plywood)」の製品開発およびJAS規格の改正などに向けた取組を推進しているところです。このCLPを国産材100%で製造することにより、日本の森林再生と、SDGsの達成にさらに貢献できるものと考えております。

 しかし、日本で使用されている合板の約半分は依然として東南アジアや中国で生産された「輸入合板」です。SDGs達成に向けて「合法性」「持続可能性」の確保は欠かせません。さらに、TPPや日欧EPAにより、合板産業の体質強化、国際競争力向上が喫緊の課題となっています。

 これら諸課題に対応するためには、日本の人工林資源を有効かつ永続的に活用して、国産合板の製造販売を一層拡充していく必要があります。
 このため、LCAの観点に立って、A材からD材の仕分けを通じた木材の高付加価値化利用、マテリアル利用とエネルギー利用の両立を追求するカスケード利用を徹底することが重要です。

 合板産業は今後ともさまざまな課題を克服して、SDGs、「グリーン成長」、「2050カーボンニュートラル」の達成に貢献し、環境創造産業・住宅創造産業として、一層発展できるよう取り組んでまいります。