お知らせ
第40回 日本・台湾・韓国 合板産業懇談会が開催されました
標記会合が平成30年10月24日及び25日に竹北市において、日本・台湾・韓国の合板業者35名の参加を得て開催されました。
会議においては、合法性の証明制度等について熱心な討議が行われ、その結果が、会議総括として取りまとめられました。来年(平成31年)は韓国での開催が予定されています。
会議で挨拶する井上日合連会長 |
会場全景 |
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会議総括の署名 向かって左から、KWPA(韓国)鄭然駿会長、TPMEA(台湾)劉光榮理事長JPMA(日本)井上篤博会長 |
記念品交換 |
第40回 日・台・韓 合板産業懇談会会議総括(英文及び仮和訳)
第40回 台・韓・日 合板産業懇談会会議総括(仮和訳)
第40回 台・韓・日合板産業懇談会が、2018年10月24日に竹北市「シェラトン新竹ホテル」に於いて開催され、三国の代表団は以下の総括を行った。
1.世界各地で、地球温暖化に起因するとみられる異常高温、乾ばつ、台風、洪水、寒波などの異常気象が多発し、甚大な被害が生じている。
このような中で、2015年のCOP21では、2025/2030年に向けた国際的な枠組や国別目標等を含むパリ協定が採択され2016年11月に発効した。
三国の合板及びボード製造業は、木材製品の需要拡大が炭素の固定に寄与し、地球温暖化防止を促進するとの認識を共にし、植樹や木材利用の拡大などの活動を通じて、地球温暖化防止に一層努めていくことを確認した。
2.世界経済のグローバル化が進む中で、三国の経済成長、特に住宅建設は停滞し、
台・韓・日三国は、厳しい経営環境下にある。このような中で、世界各国の重要方針は、持続可能な森林・木材の管理・利用やクリーンエネルギーの利用などを含む国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals)へと変化してきている。
木材を第一に合板などの原料化、第二にリサイクル利用の原料化、最後にバイオマス利用によるエネルギー化と言うカスケード利用が木質バイオマスエネルギー発電の急激な伸びにより危ぶまれている。このマテリアル利用を遵守した木材利用、及び森林の育成を通してCO2の吸収・固定が地球環境の保全に貢献することを世界に発信していくことが重要である。特に国際的にエネルギーの安定供給や環境の保全に対する関心が高まる中で、カスケード利用を基本とした木質バイオマスエネルギーの利用を確保するため、チップや丸太、PKS等の燃料材の輸出入に関する情報交換を密接に行うものとする。
3.違法伐採対策については、植林木を含む世界の丸太資源の持続可能で安定した供給のために、三国は、合法的かつ持続可能な森林経営から伐採される木材のみの使用のための法制度の施行と普及に努める。
特に、中国は、世界で大きな丸太輸入国となり、合板及びボード製造業において主要な生産国となってきている。中国の生産と輸入・輸出動向は、丸太と木質パネルの国際市場への強い影響を引き起こしている。また、インド、中東、他のアジアの国々は、針葉樹や植林木の丸太を求める需要増の中で新しい要素として世界の丸太市場に登場してきている。
従って、三国の合板及びボード製造業は中国、インド、中東その他アジアの国々の、合板及びボード産業並びに製品の需給及び合法性、持続可能性に関する迅速な情報交換を行うものとする。
4.多国間及び二国間の貿易・経済連携交渉が複雑化する中で、合板製品及びボード類の輸入関税は、生産国及び消費国双方における森林の持続的経営を確実にし、地域経済を促進する観点から非常に重要なことである。
三国の合板及びボード製造業は、合板製品及びボード類(OSBを含む)の現行の関税率について、セーフガードの発動を含め、これを維持するよう、それぞれの政府へ要請することについて一層の努力をするものとする。
5.三国の合板及びボード製造業は、低炭素社会の実現等SDGsの目標達成のため、国産材を含む針葉樹材や植林木を活用した、合板及びボードの品質及び性能の向上に関する技術開発を行うとともに、その成果の情報交換に引き続き努力する。
6.木製パネル製品の総需要量のうち、ボード製品の比率は、現在増加している。
三国の合板製造業は、合板製品とボード製品に関して、情報交換を続ける。
7.次回会議は、2019年9月又は10月に韓国において開催する。
三国の代表は、上述の第40回会議の総括を確認し、協定の証として署名した。
2018年10月24日
台灣區合板製造輸出業同業公會
理事長 劉 光 榮
韓國合板Board協會
会 長 鄭
然 駿
日本合板工業組合連合会
会 長 井 上 篤 博